牛乳を原料としたプロテインの一つでもあるカゼインプロテイン。同じ動物性たんぱく質のホエイプロテインと比較するといくつか違いがあるため、筋肉づくりを行う方の中にはホエイとカゼインの両方を摂取している人もいます。
そして、ホエイプロテインや筋肉づくりに役立つサプリメントと同じくカゼインプロテインにも効果的な摂取方法があります。これを覚えておくことで、より効率的に筋トレ効果を引き出すことが可能になります。
今回は、他のトレーニーやライバルに差を付けるカゼインプロテインの効果的な摂取方法などを紹介したいと思います。
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カゼインプロテインを効果的に摂取する方法とは?
カゼインの特徴をしっかりと把握しておき、そのメリットを十分に活かした時間やタイミングで飲むことが基本的には大切となります。それでは、カゼインプロテインの効果的な摂り方についていくつか挙げていきたいと思います。
消化・吸収が緩やかなため就寝前や間食などにおすすめ
カゼインプロテインの最大の特徴といえば、やはり吸収スピードの遅さが挙げられます。これは、すなわち長い時間をかけてゆっくりと体内にたんぱく質(アミノ酸)の補給ができるという意味であり、これが同じくプロテインの代表的な種類でもあるホエイと異なる点です。
ホエイプロテインが筋肉づくりを行う方に人気の理由はその吸収スピードの速さです。それゆえ、たんぱく質が欲しいタイミングに合わせやすいメリットがありま。摂取してから約1時間~2時間で消化・吸収されていきますが、アミノ酸濃度のピークは一般的に60分前後で訪れるとされています。
一方、カゼインプロテインは約7時間~8時間というゆっくりとしたペースで消化・吸収していく性質があるため、アミノ酸を長時間補給できない時間帯の供給に適したプロテインであると言えます。
具体的なタイミングとしては「睡眠中」や「食事と食事の間」(食間)などが挙げられます。栄養補給が難しい、または枯渇しやすいタイミングに摂ることでその威力を発揮します。
特に筋肉づくりを行っている方にとって重要な課題が筋たんぱく質の分解をいかに抑えられるか。継続的にアミノ酸が供給されていないと筋肉は分解優位の状態に傾き、その結果、筋量が減少する状態を作ってしまうのです。
これは由々しき問題です。せっかく頑張って筋トレしたのにその効果が損なわれることはできるだけ防ぎたいところです。
このような状況を作らせないために、長時間に渡りアミノ酸を供給してくれるのがカゼインプロテイン。就寝前や仕事の合間など、栄養が行き届かないタイミングで摂り入れることで筋トレ効果を引き出すことに繋がります。
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筋トレをしない日の休養日もホエイよりカゼイン
プロテインを飲む理由の一つに筋トレなどで破壊された筋繊維を修復することです。これは、たんぱく質合成と呼ばれ、合成がスムーズに行われることで筋肥大が促されます。
基本的には、筋トレで負荷をかける→筋繊維損傷→筋繊維の回復・修復→筋肥大というサイクルであり、これを見るとただ筋肉に負荷をかけることで直接的に筋肥大するわけでないことが分かります。
筋繊維が修復・回復することで以前より少し筋肉が大きく(ミクロ単位)なるのですが、この筋繊維の修復や回復に必要な栄養素で最も欠かせないものがたんぱく質です。
筋トレで筋肉を付ける引き金を引き、その後のたんぱく質補給でスムーズな筋繊維の回復を促すことで、より効率的に筋肉づくりを行うことが可能となります。
一般的に筋肉が完全に回復するには部位や強度によって違いはありますが、1日~3日程度。この間に大切なことは、例え筋トレをしない日でもたんぱく質だけはしっかりと補給することです。そうしないと、筋繊維が回復しようとしても、その材料となる栄養素がないため、いつまで経っても回復できないという状況を作ってしまいます。
そして、この筋トレOFFの日についても吸収スピードが速いホエイプロテインよりも、持続的にアミノ酸を送り続けることができるカゼインプロテインの方が適しています。
なぜなら、筋トレ直後のホエイプロテインのようにピンポイントで合わせる必要がなく、分解を防ぎ、合成を促す上でアミノ酸の枯渇を防ぐことが先決だからです。
筋トレを日々ハードに行っているとしたら筋肉は常に修復作業を行っている状態です。その材料・アミノ酸の供給をストップさせないことが大切となります。
カゼインプロテインは何に溶かして飲むべき?
カゼインプロテインを購入したはいいけど、実際に飲むとなった時に何に溶かして飲むべきか悩む方も意外と多いようです。これは、カゼインプロテインがホエイプロテインと比較すると若干クセがあり、独特のカゼイン臭などを感じるためでもあります。
そこで、ここではカゼインプロテインは何に溶かして飲むべきか?という疑問についてお話ししたいと思います。
多少味を犠牲にしてもお金をかけたくない場合は水で
各メーカーやトレーニー仲間、実体験から総合すると、水や牛乳で溶かすのが一般的な摂取方法になると思います。そして、水のケースだと、ただ蛇口をひねればいいわけですから最も簡単で経済的な飲み方でもあります。
なお、カゼインプロテインのデメリットの一つに、飲み物に溶けにくい性質があります。初めて飲む方はこの点で苦戦するかもしれませんが、お金をかけずに、そして味も特別気にしないという方は水で問題ないでしょう。
水と比べると美味しく飲めるのが牛乳
牛乳はやはり水と比較すると断然カゼインのクセや独特の苦味などが改善され、美味しく飲めるという声が多いです。また、牛乳で割るメリットは味だけでなくたんぱく質やビタミンなどさまざまな栄養素も同時に摂取することができるため、特に体重を増やしたい方、バルクアップしたい方におすすめです。
ただ、デメリットとしては水と比較するとカロリーが高いため、ダイエット目的でカゼインプロテインを摂取する人には不向きであることや、水よりも粘度があるため水以上に溶けにくいという点が挙げられるでしょう。
しかし、牛乳に含まれるたんぱく質の約80%はカゼインプロテインでもあるため、吸収速度の緩やかさを徹底するにはもってこいです。メリット、デメリットを理解して自分に合った方法で飲んでみるといいでしょう。
牛乳よりもたんぱく質が多くお腹に優しい豆乳
豆乳に含まれるたんぱく質は牛乳よりも多く、且つカロリーも低いのが特徴です。そして豆乳で割ることで、植物性たんぱく質も摂取することができるため、その他の飲み方と比較するとダイエット効果や美容効果も享受することができます。
そのため、豆乳でカゼインプロテインを飲む方法はガチガチの筋肉づくりを行う方向けというよりは、筋肉を引き締め、しなやかなスタイルを作りたい女性におすすめできる飲み方です。
また、豆乳は牛乳と比較するとお腹がゆるくなりにくい、いわゆる胃腸に優しい飲み物です。乳糖不耐症やお腹が弱い方にとってはとても適した飲み方の一つになります。
どうしても飲みにくいという方はホエイ+カゼインの混合製品がおすすめ
カゼインプロテインはその吸収時間の緩やかな面でホエイにはないメリットをもたらしますが、どうしてもホエイと比較すると混ざりにくかったり、独特の風味があったり、飲みにくいという方もいます。
そのような方は、カゼインプロテイ100%のものではなく、ホエイプロテインを一緒に配合した製品を選ぶのもよいでしょう。
あまりにカゼイン100%にこだわりすぎて、その独特の味や臭いが嫌になって続けられなくなってしまうのはもったいないですから、飲み方の工夫やカゼインプロテインの種類にも少し気を使ってみることも大切です。
また、カゼインとホエイをそれぞれ用意して混ぜ合わせることで混ざりやすくなります。
この場合、カゼインとホエイの混合プロテインに比べて、自分で配合率を決めることができるメリットがあります。
カゼインを多めに摂りたければ、カゼイン7に対し、ホエイ3の割合で混ぜるなど調整することができます。
混ざりやすさの割合は、製品によって違いがありますので、始めのうちは試行錯誤して、どのくらいカゼインを多くしたら混ざりにくくなるのか、その割合を確認してみるとよいでしょう。
なお、混合プロテインの場合、たんぱく質の総量としては個別に摂るケースと大きな違いはありませんが、それぞれの効果を引き出すそれぞれのたんぱく質(ホエイ・カゼイン)の量は少なくなってしまいます。(特に製品として売られているもの)
そのため、効果を最大限に引き出したい場合は、混ざりにくさを差し引いてもカゼイン単体で摂るのが望ましい摂り方であると言えます。つまり、それぞれの特徴生かして使い分けることが大切なのです。
ただ、裏を返すとそれぞれの特徴を同時に享受できるのが混合プロテインのメリットでもあり、状況によっては威力を発揮します。
例えば、筋トレ後に食事までの時間が数時間、開くような場合です。
この場合、ホエイプロテインだと60分程度でアミノ酸濃度がピークに達した後は濃度が低下していき、最大の筋トレ効果を満たすだけのアミノ酸が供給されない状態になります。
そこで、カゼインが含まれている混合プロテインを摂ることで、ホエイからカゼインにアミノ酸の供給をバトンタッチすることができます。
これで数時間は一定量のアミノ酸を供給でき、分解を防ぐと同時に合成を促すことが可能になります。
もっともここまで徹底するのは精神的負担となり、嫌気がさして筋トレを継続できなくなってしまうこともあります。
そのため、モチベーションを高く保つことができ、徹底的にバルクアップしたい人でなければ、あまり神経質に考える必要のないところでもあります。
筋トレを続けることが最優先です。
プロテインをある程度きちんと取りたい場合は、筋トレ直後にホエイ、寝る前にカゼイン、このくらいの感覚で取り入れるのが長続きする秘訣です。最初は、筋トレ直後のホエイだけでも良いでしょう。
まずは、無理のない範囲から始める。
そして、筋トレを継続していく中で適宜ブラッシュアップを図っていくことで、必ず目標とする体に近づくことができます。
筋トレ、栄養、休養、この3点を意識して、よりよい体づくりを目指していきましょう。
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