ホエイプロテインの製法

筋肥大に効果を発揮するホエイプロテインには、大きく分けて4つの製法があり、タンパク質やBCAAの含有率、有効成分や乳糖の有無、消化吸収スピードなどに違いがあります。この差が価格にも反映されるのですが、高いのには理由があります。値段だけで選ばず、内容の違いにも注目してプロテイン選びの参考にするようにしましょう。

製法は、以下の4種類です。

(1)WPCWhey Protein Concentrate)=濃縮膜処理法
(2)WPIWhey Protein Isolate)=イオン交換法
(3)CFMCrossFlow Microfiltration)=WPCとWPIのいいとこ取り+α
(4)WPHWhey Protein Hydrolyzed)=加水分解ペプチド

それぞれどのような特徴があるのか、詳しくみていきましょう。

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WPC製法とは

プロテインの製法のひとつWPCはホエイプロテイン・コンセートレートといい、濃縮乳清タンパク質(濃縮ホエイたんぱく)を意味します。

WPCは最も一般的な製法でホエイプロテインの基本形です。多くはWPC製法で作られており、たんぱく質の含有量はおよそ70~80%ほどになります。

質が比較的高い割に安価に購入できることから多くの人に愛用されています。

ただ、ざっくりとろ過して作られるため、炭水化物やビタミン、ミネラルなどの有益な成分が残っている反面、乳糖も残ります

そのため、牛乳など乳製品でお腹を下してしまうような乳糖不耐症の人は少しお腹が緩くなることもあります。牛乳で割って飲むとさらに悪化することがあるので、最悪でも水で飲むようにしましょう。

どうしてもお腹のゴロゴロが気になる人は、WPC以外の製法で作られたプロテインを選ぶようにしましょう。WPC以外の製法では乳糖がほぼ除去されているので安心です。

BCAAの含有率は18%程度と他の製法に比べて、やや劣りますが気にするほどの差ではありません。

脂肪の含有量も他の製法よりもやや多く、そのため味が良くとても飲みやすくなっています。

WPC製法のおすすめプロテイン

筋トレ効果を引き出すためにプロテインを取り入れている人のほとんどが知っているか、実際に取り入れているプロテインが「ザバス ホエイプロテイン100」です。

最もポピュラーなWPC製法プロテインで、当サイトの総合ランキングでも常に上位をを堅持しています。

私はいろいろなプロテインを併用しているのですが、その中の一つがザバスのプロテイン。安定した効果を実感でき、止めようと思ったことがない継続できるプロテインです。

味もよく、ココア味は普通にココアです。私はプロテイン歴26年になりますが、当初のプロテインに比べて全く別物です。当時はプレーン味が主流で、できれば飲みたくない代物でした。プロテインを飲む時が1日の中で最も嫌な時間であったことを鮮明に思い出せるくらいの衝撃が残っています。

乳糖は残っているので、乳糖不耐症の人は、お腹がゴロゴロする場合があります。

ただ、個人差があってその度合いは様々です。

私も乳糖不耐症で多少ゴロゴロしますが、下痢をするレベルではなく、特に不快感なく継続しています。逆に消化吸収の早さや効果を実感できる瞬間として、お腹の具合を一つの指標として活用しているくらいです。

値段も手ごろで効果も安定しているので、多くの人におすすめできるプロテインです。

ザバス ホエイプロテイン100

WPI製法とは

WPIはホエイプロテイン・アイソレートといい、分離乳清タンパク質(分離ホエイたんぱく)を意味します。

乳糖がほぼ除去されているので乳糖不耐症の人でもお腹がゴロゴロなりにくく、比較的安心して飲むことができます。

乳糖以外にも脂肪などの成分をほぼ除去して加工されたもので、たんぱく質の含有率はおよそ80~90%で、BCAAの含有率は20%程度です。

そのため、不純物も除去できる反面、たんぱく質以外の有益な成分も除去されます

ただ、高濃度のホエイプロテインが得られるため、プロテインとしての役目を十分に生かすことができ、筋肥大の有効性は高いと言えます。

脂肪が除去されていることから、減量する際のプロテインとしても活用することができます。

価格はWPCよりも高めです。ある程度効果が得られればいいという人はWPC製法のプロテインで十分でしょう。

WPCでお腹が緩くなってしまう人や少しでも効果を高めたい人は取り入れることで、価格に見合う有効性を十分に得られるものと思います。

WPI製法のおすすめプロテイン

WPI製法で最も人気を得ているのは、「バルクスポーツ アイソプロ」プロテインです。

乳糖や脂肪の多くが除去されているので、乳糖不耐症の人や脂質をできる限り摂りたくない人も安心して飲めます。

お腹がどうしても気になる人にとっては、救世主的なプロテインとして人気を集めています。

WPIにしては、値段が安いのも魅力で、効果を損なうことなく取り入れることができます。

味も美味しく、好みの差はありますが、どれを選んでも失敗はないと思います。私はイチゴミルクが好みです。

バランス性に優れたプロテインを摂りたい人におすすめします。

バルクスポーツ アイソプロ

CFM製法とは

CFMはセラミックの膜でろ過する製法で、簡単に言えば、上記で説明したWPCとWPIのいいところ取って、さらに質を高めた製法です。

WPCは、筋肉づくりに有効な成分は残るが、乳糖など不要な成分も残ってしまっていたのは、先にお話しした通りです。

そのウィークポイントをCFMは改善しています。

有効成分は残して、不要な成分は除去、つまり乳糖不耐症の人の最大のネックだった乳糖も除去されています。脂質も1%以下まで減らしています。

2つ目のWPI側から見ると、WPIは有効成分がほぼ除去されていたが、CFMでは有効成分がほぼ残っています。カルシウムも多く残されています。

筋肉づくりに最も重要なアミノ酸であるBCAAを豊富に含んでいるが大きなメリットで、筋肉の成長、回復を効果的に進めることができます。

たんぱく質の含有率はおよそ80~90%。BCAAの含有率は22%程度WPC、WPI に比べ高くなっています

WPC、WPI に比べ品質も高く、値段がやや高めですが、筋肉づくりを最高レベルでサポートしてくれるのは確かです。肉体に対する意識が高いトレーニーからボディビルダーまで幅広く利用されています。

CFM製法のプロテインは価格がネックになっていますが、リピート率は高く、ある意味隠れ人気のプロテインとなっています。

予算に余裕があれば、効果的な栄養摂取として取り入れても損はない、おすすめのプロテインです。

CFM製法のおすすめプロテイン

CFM製法の鉄板とも言えるのが、「 GOLD’S GYM ホエイプロテイン プラス ペプチド&ビタミンB」プロテインです。

やはり価格は高めですが、その分WPCとWPIのいいとこ取りで高品質。吸収が早いホエイペプチドと利用効率を高めるビタミンB群も加えられており、徹底した筋肉づくりに取り組む人にとっては無くてならないプロテインであると言えます。

信頼の高いGOLD’S GYM製と言うこともあって、特にアスリートやボディビルダーに愛用されています。
乳糖の含有量は非常に少なく、乳糖不耐症の人も安心して飲むことができます。

脂肪の含有量も約1%と少なく、極限まで筋肉に磨きをかけるために、力強い味方になってくれることは間違いありません。

水でも美味しく飲むことができ、牛乳で飲む場合に比べて脂質の摂取を徹底的に抑えることができます。

中級~上級トレーニーが、さらに筋肥大を引き出したり、ディフィニションに磨きをかけたい場合は、きっとより効果を高めることができるでしょう。

GOLD’S GYM ホエイプロテイン プラス ペプチド&ビタミンB

WPH製法とは

WPH(Whey Protein Hydrolyzed)は加水分解ホエイたんぱくを意味し、新世代の製法とも呼ばれています。WPHは、消化吸収スピードがとても早いのが特徴です。

消化吸収について少し詳しくお話しすると、

たんぱく質(数十個~数百個のアミノ酸が結合)はアミノ酸の結合体で、ペプチド(アミノ酸が2個以上結合)⇒アミノ酸(1個)の順で分解され消化吸収されます。

WPHでは、精製段階でペプチド状にしてあるため、たんぱく質からペプチドへの消化段階をすでに経た状態になっているわけです。

それが消化吸収スピードが非常に早い理由です。

そのため、筋肉づくりのゴールデンタイムである筋トレ後のたんぱく質補給では他の製法に比べて効果が最も高くなります。タイミングの精度が高くなり、いわば狙い撃ちができるんですね。

ただし、徹底的にたんぱく質にこだわった製法であるため、乳糖も除去されますが、有益な成分も除去されてしまいます。

その分、たんぱく質を効率的に摂取するために生まれた“プロテイン”としては究極の域に達している製法である言えます。

たんぱく質の含有率は70~95%。含有率よりも消化吸収に焦点を置いたものもあり、タイミングを狙った摂取による筋トレ効果の引き上げに役立ちます。

BCAAの含有率もCFMに並ぶ22%程度とWPC、WPI に比べ高くなっています。

味はあまりよくありません。アミノ酸の結合数が少なくなるほど苦みが出ます。

結合数が少ないほど、消化が早いわけですが、WPHの中に限って言えば、味が良ければ消化が少し遅い、苦みが強くなるほど消化が早いという、味と消化はトレードオフ関係にあると言えます。

品質が高く、値段も高めですが、筋肉づくりを強力にサポートしてくれるのは間違いありません。

WPH製法のおすすめプロテイン

CFMと同様にこちらも鉄板のGOLD’S GYM製。

最も支持を得ているのが、「 GOLD’S GYMホエイペプチド アミノコンプレックス」です。

ジペプチド・トリペプチドが全体の約60%を占めるため、WPHの中でも消化吸収が抜群です。

ジペプチドはアミノ酸が2つ結合、トリペプチドは3つ結合したものです。極限までアミノ酸に近い状態に分解しており、消化吸収の早さにもの凄く力を入れているのが分かります。数分から数十分で吸収されるのもうなずけます。

筋トレ後を中心に、ピンポイントでたんぱく質を摂取することができるため、ボディビルダーやパワー系アスリートに人気があります。

一般のトレーニーもストイックな人ほど、WPHを取り入れる傾向があり、肉体に磨きをかけています。フィジークの大会に出るような人にも重宝されています。

高品質プロテインなので値段は高めですが、品質は抜群です。

味は正直美味しくありません。

効果を追求するために味は関係ないといった人は、取り入れることでさらなる筋トレ効果を引き出すことに繋がるでしょう。

GOLD’S GYMホエイペプチド アミノコンプレックス

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